eve-a60’s blog

ロンドンでの3年間の大学生活を記録したもの。

Fight! 闘え。(後編)

 

 

 

 

ブログの存在を綺麗さっぱり忘れて7月を過ごしていた私です。お許しください、こんにちは。

 

 

 

最近、知人の紹介で派遣の仕事に就くことができました。有り難いです。

 

やはり、コネクションが一番手っ取り早くて着実 (悪い顔)

 

 

 

前記事でお話ししたスーツケースが盗まれた話は、1ヶ月過ぎればもうただの笑い話です。立ち直りの早さで世界新記録を更新したい、と切に願う今日この頃です。

 

 

 

 

余談ですが、スーツケースが盗まれた後も(順調に?)幾つかのプチハプニングに遭遇しました。

 

 

 

ヒースロー行きのバスを午後4時ではなく誤って午前4時で予約していたことが発覚したのでチケットを買い直したり、空港内のチケット発券マシンがシステムエラーを起こしたのかいつまで経ってもパスポートを読み取ってくれなかったり、乗り換え地点になる広州の空港では無料で一泊できるtransit hotel のガイドさんが予定時刻を過ぎても一向に現れずヒヤヒヤしたり......

 

 

更に恐ろしいのが、これら全てを解決してホテルにたどり着いた頃には、

 

 

 

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自分がすっかり元気になっていたこと。

 

 

 

こわっ。

 

 

 

夜の10時頃にホテルに到着し、その後3時間近く親とのビデオ通話、ルームツアー、DVD鑑賞、読書を楽しんだ自分に是非ともお尋ねしたい。何故、寝ようとしない?

 

 

 

高山病になった人の特徴として、「突然ハイテンションになる」というのがありますが、おそらくそれと同じ仕組みなんでしょうね。 

 

 

 

私は肉体の疲労度が一定を超えると、恐ろしいほどハイになります。ディズニーから退園する際に私が饒舌になるのは、日中に体力を保持していたからじゃない。純粋に疲れたから。修学旅行で夜中に理由もなく一人ケタケタ笑っているのも、疲れたから。バイト終わりのカラオケでアップテンポな歌ばかり選ぶのも、疲れたから。

 

 

 

 

怖いね。ここまで来るともはや、怪奇現象。

 

 

 

ちなみに、「疲れた」を連呼している時はさほど疲れていない。

 

 

 

 

 

何はともあれ、日本に無事戻って来れて良かった。近所の鉄道工事がだいぶ進んでて良かった。友達の就活が終わってたのも、良かった。

 

 

 

 

 

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母とブランコで遊んだのは、予想外だった。

 

 

 

 

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河童忌に芥川さんを訪ねて近況報告をする、という本懐も遂げることができて満足。

 

 

 

芥川さんの暮石前に花束を供えながら、高三の夏、進路が定まらずにいた自分がこの場所で「芥川さん、私は一体、これからどうすればいいんでしょう?」と1時間近く進路相談(と言えば響きが良いが実際はただ墓場で自問自答していただけ)をしていたことを追憶しました。

 

 

 

芥川さんに相談してから突然留学を決意した

 

 

 

というのは表面的には事実であり、実際私が海外の大学に興味を抱き始めたのは河童忌から数日後のことでした。

 

 

 

しかし、だからと言って、芥川パワーで「留学」というアイデアが突然私の頭上めがけて舞い降りてきたんだ、とは解釈して欲しくない。

 

 

 

というのも、私はそれ以前から、色んな人に進路についてのアドバイスをもらっていました。

 

 

高一の時にはあるカウンセリングの先生から、「もしかしたら、あなたにはアメリカとか、海外の教育システムの方が向いているのかもしれない」と留学の話を既に持ち出されていましたし、

 

 

 

母親からはよく「そうやって、ウジウジ引きこもってるくらいなら、どこか違う国でも見て来なさい。いつまでも、そうやって自分の世界に閉じこもってるつもり? そんな狭くてつまらない世界で生きるのは、もうやめなさい」と叱られていました。

 

 

 

 

だから、「留学」というアイデアは私の身近に常に存在していたんです。

 

 

 

私がなかなか「何が何でもこの鬱々とした現状を変えてみよう!」と決意できるほどの勇気を持てないがために高三の夏まで自らの恵まれた環境に気づかなかっただけで、本当は色んな人に随分前から後押しされていたんです。みんなの「声」が私の中に蓄積されていて、私はそれをもっと素直に受け入れるべきだった。

 

 

 

でもね、高校生ってどうしても捻くれたがるじゃないですか?

 

 

 

大人なんてどうせみんな、その場凌ぎの綺麗事しか吐かない

 

 

 

みたいに考えてて、他人の声をシャットダウンしちゃうんですよね。

 

 

 

 

私は特に人間不信で厭世的な考えを好む傾向が強いので(あ〜、もう、自分で認めちゃったよ)、高校時代は同級生からよく「流石、万年厨二病!」とからかわれていました。

 

 

 

 

 こうして振り返ると、自分のこれまでの人生がいかに他者ーー特に家族から授かったものであるかが浮き彫りになってきます。

 

 

 

 

辛辣な言葉で長いこと私の考えを否定してきた両親は、結局私のやりたいことをやらせてくれました。

 

 

 

 

もう、なんなんだよ! じゃあ、最初から私の夢を応援してよ! そしたら、無理に好きなことを手放そうとしなかったのに。

 

 

 

と不満を言いたくもなりますが 笑

 

 

 

この不器用さからして、流石我が父と母。

 

 

 

 

 

このように私はまだ、誰かに支えてもらう生き方しか知りません。

 

 

 

自分自身の実力に関しても、まったくの無知です。

 

 

 

自分に実際どれだけの ability または talent があるのだろうと気になっている反面、正直それを知るのが怖いと思ってしまう時もあります。

 

 

 

 

どうやら、私の次なる課題は「自分にできることの限度を知る勇気を持つ」になりそうです。「あ、結局、私なんて大したことないんだ」ってどこかで自身に失望してしまいそうで、ちょっと......いや、かな〜り嫌な経験になりそうだけど。

 

 

 

ま、毎朝ジョギングするよりはマシか。我慢しよ。

 

 

 

 

さて、この記事を締める前に、タイトル「Fight! 闘え」の説明を済ませなければ。

 

 

 

私のInstagramでも取り上げましたが、「ファイト!」は私が敬愛している歌手の中島みゆきの歌の一つです。

 

 

 

この歌、高校時代の進路が定まらずふらふらしていた頃によく聴いていました。

 

 

 

当時、私はこの歌が応援歌だと思っていたんですよ。歌の中で何度も使われている「ファイト」という言葉を単純に、日本語の「頑張れ」として受け取っていました。

 

 

だから、

 

 

「頑張れって言っても、目標もない私が何を頑張れるというんだ」

 

 

こんな風に、悶々としながらこの歌を聴いていたわけなのですが、

 

 

 

最近になってようやく、ここでの「ファイト」が「頑張れ」ではなく英語での意味ーー「闘え」として使われていることに気がつきました。

 

 

 

 

中島みゆきの言う「ファイト」は頑張れなんて生半可なものではなく、「生きるためにどこまでも闘え。社会の矛盾、自分自身の矛盾ーーこれら全てと闘う覚悟を持って生きろ」と彼女の歌を聴いた人各々が自らの人生に宣戦布告するのを後押しするために使われた言葉なんです。

 

 

 

 

私の戦いを知らない人は、「なぜ、戦う必要があるの? 争わなくても、生きてゆけるのに」と不思議そうに笑うでしょう。

 

 

 

でも、「闘うこと」と「争うこと」はイコールではなく、闘う人は誰かが生きるためのスペースを占領するのでも他者と人生の優劣をつけるのでもなく、ただ自分という存在を守るために抵抗するんです。みんなもっと、生きることに貪欲にならなければならない。正々堂々と自分のために闘っていいんです。

 

 

 

(ただ、中には「闘い」という名目で「争い」をしてしまう人がいるのも事実ですが)

 

 

 

 

 

「ファイト」の意味を日本語の枠を超えて考え直したおかげで、中島みゆきの歌を更に楽しむことができました。

 

 

 

 

 

  そう考えると、英語という言語を通して私の世界は少しずつ、けれど着実に広がっているのかもしれません。

Fight! 闘え。(前編)

 

 

 

 

 

今更ですが、無事日本に戻って来ました。

 

 

 

現在夏休み中、近眼進行中(2年前に比べて8段階も視力が落ちたので、行きつけの眼鏡屋さんにかなり心配された)、和食生活謳歌中、金欠中(短期、単発アルバイト絶賛募集中)、猛暑で頭痛悪化中の私です(猛暑って言っても、まだ6月。信じられん)。おはようございます。

 

 

 

 

帰国するまでに、これまた色んなハプニングが起こりましたよ。さすが私。何時でもただでは済まされない運命なんですね。ははは。

 

 

頼む、もう少し穏やかな人生を送らせてくれ。ハタチ超えてから、体がもたないんだわ。何かハプニングが起きても、瞬時に溌剌とした反応ができないんだわ。

 

 

 

 

ちなみに、今回はどのようなハプニングが起きたかというと、

 

 

 

 

・帰国する日の朝に寮の荷物を全てSelf-storage  (トランクルーム)に移動しなければならないので事前にタクシーを予約していたが、そのタクシーの運転手さんと電話越しで大ゲンカしてしまう

 

 

 

なぜケンカになったかというと、、、

 

 

私が荷物を寮のエントランスまで運んでいる最中に運転手さんから待ち合わせ場所を確認する連絡が入る。

 

 

 

 

私、とにかく電話を早く終わらせて荷物を運び終えたい。「とりあえず、寮の正面まで来て欲しい」と簡潔に告げる。(ここできちんと待ち合わせ場所を説明しなかったこと、今では反省してる)

 

 

 

 

運転手さん、寮の裏口(駐車場)を正面と勘違いする。

 

 

 

 

運転手さんから「今どこにいるんだ」と少しキレ気味に電話がかかってくる。運転手さんが寮の裏口にいると理解した私は、反対側まで移動するようにお願いする。しかし運転手さん、駐車場は他の車でいっぱいで簡単に出れそうにないから、君が裏まで来て欲しいと私の要望を拒否。(この日は寮の住人全員にとっての退去日だったので、他の生徒さんの引越しを手伝いにきた保護者の車もたくさん来ていた)

 

 

 

 

 

 

私も、台車が壊れてしまっては(そう、荷物が多すぎて台車が壊れた)大量の荷物を裏口まで運ぶことが出来ないと断固運転手さんの要望を拒否。それから20分くらい電話口で、お前が来い、いや、お前の方がこっちに来いの醜い争いを繰り広げる。

 

 

 

 

 

運転手さん、ついに完全にキレる。「このままだと次のお客さんとの待ち合わせに遅れるから、もう君の予約はキャンセルにする」と言って一方的に電話を切る。私、「いや、待って。こっちは既にお金払ってるし、今どうしても荷物を運ぶための車が必要なんだよ! じゃないと、飛行機に遅れる! 見捨てないで!」と焦る。でもここで弱気になったら負けだと思って、とりあえずタクシーを予約した会社に「運転手が勝手に予約キャンセルだなんて、信じられない!」と強気に連絡を入れる。

 

 

 

 

 

 

運転手さんから連絡が来る。「もうキャンセルにするって言っただろ」と非常に迷惑そうな声。私、最後の望みをかけて情に訴える。「私、今日中に自分の国に戻らなきゃいけないの。その為には、荷物を運ぶための車が必要なの。今まで散々強気なこと言っちゃったけど、お願い、あなたに親切心があるなら戻って来て」

 

 

 

 

 

「......今からそっち行くから」

 

 

 

 

 

運転手さん、戻って来てくれました。

 

 

 

そうです、本当はいい人なんです。

 

 

私の荷物の量に「多すぎる! こんなの仕事の内容外だ、あんまりだ!」と文句をつけつつも全て車内に運び入れてくれた運転手さんに何だか申し訳なくなって、「あの、次のお客さんとの待ち合わせに私のせいで遅れそうなら、本当にごめんなさい。もう10ポンド払います」と財布を取り出すも......くそ、現金がない!

 

 

 

 

「その、カード払いって出来ますか? 今すぐ払いたいんですけど」

 

 

 

 

 

電話越しでは丁寧語なんて使わなかったくせに、車内で急に礼儀正しくなる私。運転手さん、「もういいよ」と面倒臭そうに一言。

 

 

 

あ、私と会話するのは10ポンドを逃すことよりも嫌な感じですか。okです、今から石のように沈黙します。

 

 

 

もう自分には謝る術がないんだと諦めて、私が俯くと

 

 

 

「君、学生?」

 

 

運転手さんが尋ねてきました。

 

 

 

「え、はい」

 

 

 

「この荷物の量、すごいね。どうして今日、帰国するの?」

 

 

 

「えと、今日は寮の退去日で、だから、これ以上荷物を部屋に置いておけなくて。荷物、なるべく減らそうとしたんだけど、でも、9月にまたここに戻って生活するから捨てられないものが多くて、こんな量に......。本当にごめんなさい」

 

 

 

で、ここで私はまたやってしまった。

 

 

 

涙が女の武器だと言う人もいますが、私はもはや凶器だと思っています。

 

 

 

だって、涙は「泣かせた側」の人権を一瞬にして消滅させるから。

 

 

 

「自分が悪かった。君はまだ学生で、しかも留学生なのに。君は何も悪くないから、もう泣かないで」

 

 

 

ね。

 

 

 

もう運転手さんが圧倒的に不利な状況になってしまった。

 

 

 

あ〜、もう。なんですぐ泣くんだよ。

 

 

 

自分への苛立ちを募らせてみるも、涙が一向に止まらない。

 

 

 

私のしゃくり上げたり鼻をすする音と運転手さんの「スマイル! 泣かないで、笑って〜!」という懇願の声が車内で混ざり合っていたこの時のことを思い返す度に、「頼むから、もう人前で泣かないでくれ」と自分を叱責したくなる私です。

 

 

 

私が泣き止んだ頃、運転手さんはカーナビとして使っている自分のスマートフォンの画面の端っこを指差して言いました。

 

 

 

「ほら、ここ見て。これが今日の私のお客さんの数。で、次のお客さんとの待ち合わせ時間がこれ。45分までにこの場所に着いて、このお客さんを空港まで送らなきゃいけないんだ。もし私が遅れたら、このお客さんはフライトに間に合わないかもしれない。私が時間を気にして君にイライラしてたのは、こういうこと。あ、もうこれ以上謝らなくて大丈夫だから。(もう一度謝ろうと口を開きかけた私を手で制す)君はこの仕事のシステムを知らなかったんだから、仕方ないよ。ただ、これからは私達ドライバーのこと、理解してくれる?」

 

 

 

そうなんです。

 

 

 

私とのトラブルのせいで、運転手さんが次のお客さんを定刻通りに空港まで送ることができないかもしれないんです。

 

 

 

 

やっぱり自分の考えはまだまだ甘いんだと深く反省。

 

 

 

self-storage のお店周辺まで来たところで、「あの、私、ここで降ります」と店のエントランスを見つけようと必死になっている運転手さんの肩を叩きました。

 

 

 

「え、でも、エントランスはまだ......」

 

 

「大丈夫。エントランスは自分で見つけられるから。それより早く、次のお客さんのところに行って」

 

 

 

その後も運転手さんは数分ほど「いや、エントランス...」と私の降車に反対していましたが、最後には「分かった、ありがとう」と納得して私の荷物を全て下ろして道端に丁寧に並べてくれました。

 

 

 

「もしまたタクシーが必要になったら、いつでも私の番号に連絡して」

 

 

 

「うん、ありがとう。あの、これあげる」

 

 

 

10ポンドに比べたらだいぶ価値が下がりますが、最後にキットカットを運転手さんのポケットの中に押し込みました。

 

 

 

運転手さんを見送って、さ、ここは一体何処だ、と改めて辺りを見回すと、見えてきました。いま自分がいる場所がself-storgeではなく、ライブスタジオだということが。

 

 

 

周辺にライブ用の機材を積んだトラックが沢山停まっていたので、私も運転手さんもてっきりここがself-storageのお店であると勘違いしてしまったんですね。

 

 

 

じゃあ、肝心のself-storageは何処なんだとiPhoneで調べてみると、なるほど、現在地から徒歩3分、目の前の坂を登ってすぐのところが所在地とのこと。

 

 

 

坂、登るのか......

 

 

ちょっと、いや、かなりキツいな〜と溜息をつく。

 

 

 

3分といえど、キッチン用具や寝具を詰めた引越し用の鞄と帰国用の荷物を詰めた空港で預ける用のスーツケース、これら全てを一人で坂の上まで運ぶのは容易なことではありません。

 

 

 

あいにく、私には手が二つしかないので数回に分けて荷物をself-storageのお店まで運ぶしかない。は〜、だるっ。

 

 

 

 

 

いや、元気出せ!坂を3往復くらいした頃には私、たぶん1.5㎏くらい痩せてるって! ははは! と年頃の女の子らしい発想でなんとかモチベーションを上げて「オッシャー!」と一番大きなスーツケースから運び始めたものの

 

 

 

うわっ、重っ。

 

 

 

しかも、こういう日に限って安定のどんより曇り空が国宝のようなロンドンがガンガンに晴れているんですよね〜。もう、なんで〜。

 

 

 

 

お陰で坂を登りきった頃には、喉は気持ちが悪いほどに渇き、着ているシャツはもう汗でベトベト。

 

 

 

もう、これ終わったらシェイクでも買って飲もう。うん。

 

 

 

坂を登った後はスーツケースをself-storageの店内まで運び、お店の人に「外にまだ荷物があって運ばなきゃいけないから、それまでちょっとこれ、見といて下さい」とお願いして

 

 

 

、2回戦! 次はどれを運ぼうか〜?

 

 

 

と威勢良く残された荷物達の元へと駆け戻って、ん? 急停止。

 

 

 

1、2、3、4、5

 

 

目の前の鞄とスーツケースの数を数える。

 

 

...あれ、足りない

 

 

 

今度は思考停止。

 

 

 

黒の、

 

ペンギンのシールを貼った、

 

空港に預けようとしていた、

 

お土産やら服やら本やらアクセサリーやらを入れてた、

 

私が坂を登る前にはそこにあったはずのスーツケースが、

 

 

 

な〜い!

 

 

 

そう、これがハプニングその2

 

 

 

 

・人生2回目の盗難に遭った

 

 

 

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あ〜、マジか〜。ここで盗難に遭うか〜。私、ツイてんな〜。

 

 

ついに頭が壊れました。

 

 

いや、元からか。

 

 

 

一番見た目が軽そうで高そうなスーツケースだけ、忽然と姿を消したんですね。

 

 

 

もちろん、盗難の懸念があったので常に肌身離さず背負っているリュックサック以外の鞄にはパスポートやパソコンなどの貴重品は入れてなかったわけなんですが、

 

 

 

でも、でも、でも!

 

 

 

お土産も服も本も、みんな、私にとっては貴重品なんです。

 

 

 

だって、どれも「来月、お給料が入ったら買いに行こう」とか「この美術館のこれなら日本の友達、喜んでくれるかな」って綿密に計画した上で手に入れたものなんだもの。ゴミじゃないんだわ。

 

 

 

幸い、タクシー内で出し切ったので涙の流出は起こりませんでしたが、心は痛い。ついでに、腕も脚も痛い。(それはただの筋肉痛)

 

 

 

 

 

もうこんな心痛な経験はしたくないから、私は複数の荷物を一人で一気に運べるくらいムッキムキのマッチョで、盗難に遭っても「あ、それは、新手の寄付ですのよ。ほほほ」と軽やかに笑えるほどのリッチで、ついでに何事も忘れさせてくれるような愛くるしい猫達に囲まれて暮らしているような幸せ者になりたい。

 

 

 

 

そうなるためにも、

 

 

 

精進しないとな。

 

 

 

 

 

では、

 

 

後編に続く!

 

 

 

(スクリーンを長時間見ると頭痛と視力の低下が悪化するので、今日はもうこれ以上書けないんです。ど近眼なんです。ご了承ください)

 

 

 

 

 

 

同情するなら金をくれ。ロンドンで家探しをするということ。

 

 

 

 

9月から始まる新学期に向けて新しい家を探していると、ドラマ「家なき子」の子役時代の安達祐実が脳内に浮かびます。

 

 

 

 

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入居できる家が、全然見つからないよ〜 泣

 

 

 

 

大学の寮は新入生と交換留学生限定なので、今年は自分で入居可能なハウジングの会社が運営している学生寮か、シェアフラットの空き部屋を見つけなければならないのです。

 

 

しかし、大学管轄外の学生寮は家賃がクッソ高い。

 

 

(ここからしばらく、クッソを連発させていただきます。おつき合いください)

 

 

 

イギリスで長期留学する学生 =  クッソ金持ち

 

 

 

という概念をもとに価格設定したのか分かりませんが、どこも1週間で3-5万円ほどかかります。

 

 

 

嘘やん。

 

 

学生にそんな値段要求するか? 普通、学生寮って、一般の賃貸より安くなるもんじゃないの? と涙目になりかけた私。甘いね。

 

 

ロンドンで留学するっていうことは、そういうことなの。

 

 

 

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今時の学生寮は、入居者の健康まで心配してくれるんです。ジムまで併設しちゃうんだから⭐︎  

 

 

(誰もジムなんて頼んでないわ。施設の維持費が増えるわ、クッソ)

 

 

仕方ないから、フラットが見つかるまでの2、3ヶ月をこの高額な学生寮で過ごそうかな、と思った私。まだまだ甘い。

 

 

 

どの学生寮も契約は1年間の入居限定。

 

 

 

クッソ、どこまでも辛辣な。

 

 

 

(大学の3学期は大体どこも6月中に終了するのに、どうして9月まで寮に残らなきゃいけないんだろう、って不思議に思って友達に聞いたら、留学生の多くは夏休みは実家に帰らずにヨーロッパ周遊するからなんだって。え、まさか本当にそれを考慮しての1年契約じゃないよね?)

 

 

 

というわけで、学生寮への入居はすっぽり諦めてフラット探しに専念。

 

 

あらゆるサイトで探し、下見に出向き、不動産屋にも相談。

 

 

 

だけど、ダメ。

 

 

全然、良い家が見つからない。

 

 

 

 

私にとっての「良い家」というのは、

 

 

 

9月から入居可

 

 

学生可

 

 

家賃は月8万以下(ロンドンでこの値段は安い)

 

 

通勤通学が1時間以内で済む地域

 

 

駅から徒歩10分以内で、なるべく安全な地域

 

(帰りが遅くなった時に駅から自宅までの距離が遠いと不安だし、ロンドンの治安が悪い地域は薬物中毒者やホームレス、ギャングによる犯罪率が高い。うん、ガチでやばい。治安が良くないエリアに住んでるクラスメイトがよく「うちの近所でまた学生が刺された。怖くて、バイト先から家まで一人で帰れない」って怯えてる

 

 

同居人の雰囲気が良い

 

(「ハウスメイトにものを盗まれた! また引っ越さなきゃ!」なんて話をたまに耳にするので、やっぱり同居人はある程度信用できそうな人がいい。ま、下見の時に一度会って話したくらいじゃ、他人の人柄なんて判断できないけどね

 

 

 

 

これらすべての条件が揃った物件を見つけるのは、本当に難しい。

 

 

 

まず、入居日が9月という時点でハードルが3メートルくらい上がる。

 

 

今はどこの大家さんも6、7月中に入居できる新しいテナントを募集しているから、「あの、9月から入居したい」と言えば、即座に入居者決定コンテストの選考から外される。部屋の下見に出向くことすら許されない。

 

 

 

次に、家賃。

 

 

大学と職場周辺の家はどこも月10万越えするものばかり。

 

 

でも、通勤通学があまりに不便だと生活に支障が出るのも事実。

 

 

(一定の勉強時間は毎日確保したいし、たまに起こる電車のストライキに対処できるよう、バスの運行も頻繁なエリアが望ましい)

 

 

 

その他の悩ましい問題点は、「私が日本人だと分かった途端に、契約手続きを複雑化してくる大家さんが多い」ということ。

 

 

 

部屋の状態や立地条件、ハウスメイトが気に入っても、ビザとパスポートを見せた途端に、あら不思議。

 

 

大家さんA「急にシングルルームが売り切れちゃったの。お値段上がるけど、代わりにダブルルームなら貸せるわ」

 

 

 

大家さんB「契約期間、6ヶ月から1年に変更してもらえない? え? 8月に日本へ一時帰国して、それからまた9月に入居できるかって? ダメダメ、ロンドンでそんなことできる賃貸の家なんてないよ」

 

 

 

クッソ、こりゃ完全に私のことナメてるな。

 

 

 

他のヨーロッパ系やアメリカの友達が家を借りたときの話と、アジアの友達の体験談の違いはここ。

 

 

 

そう。アジアの留学生からぼったくろうする大家さんが、あまりに多いのよ。

 

 

 

 

家を貸すのがビジネスなのは分かるけど、私が日本人だからって契約内容を急に変更するのはやめて欲しい。

 

 

 

「最初と話が違うじゃん」と反論する私に、「ロンドンでこんなに良い物件、ないんだよ」を畳み掛けるように繰り返してくる大家さん。

 

 

 

ごめんなさい、あなたの家に入居する気が失せました。

 

 

 

ばいばい。

 

 

 

 

 

みんな、お金大好きですもんね。

 

 

 

私も好きです。

 

 

 

 

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でも願わくは、もう少し人道的にビジネスをして欲しいですね。

 

 

 

うん。

 

 

 

こんなわけで、いつまで経っても家が見つかりません。

 

 

 

しかし、有難いことにクラスメイト達はみんな「家が見つかるまで、うちにいていいよ!」と言って私を励ましてくれます。

 

 

 

そのおかげで、万が一9月までに家が見つからなくても私は野宿をせずに済むのですが、、、いつまでもクラスメイトとそのご家族にお世話になるわけにもいかないので(私、バイトでよく帰り遅くなるし)、家探しは日本に戻ってからも続行します。

 

 

 

 

 

同情するなら金をくれ

 

 

 

この「家なき子」の名言にならって一言。

 

 

 

 

同情しなくてもいいから、義理を通してくれ

 

 

 

 

「日本から一人で来たの? 大変だね。頑張ってね」といった優しい言葉はかけてくれなくてもいいんです。

 

 

 

私はただ、契約内容を突然変更したりなんてしない、信用できる大家さんに巡り会いたい。

 

 

 

 

それだけです。

 

カクテルとカラオケとクラスメイトとその他諸々。

 

 

 

 

ただいま。

 

 

クラスメイトの誕生日パーティーから帰宅したばかりの私です。

 

 

 

いつも深夜にお腹が空くので、帰宅途中にちゃんとスーパーで夜食を買ってきましたよ。

 

 

 

 

本日のメニューは、ゆで卵とパスタとブラウニーとドーナツ。

 

 

 

 

 

ゆで卵〜ブラウニーまではセーフ。

 

 

不満なく食べれるレベル。

 

 

 

 

でも、売れ残りの 16pドーナツは正直1pレベルのクオリティ。

 

 

 

 

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カスタード味だと思って買ったのに実際は中身がジャムだったという時点で、不快度60。

 

 

 

 

更に生地がパサパサ、使用されているジャムがほぼ無味という欠点がプラスされてあっという間に不快度100へと到達。おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

一つ食べ終えた頃には15p分損した気分になってしまいましたが、「ポジティブになろうキャンペーン」実施中の私、ここは「15p分の経済貢献ができた」と考えることで不快な気分を無理やり追い払います。

 

 

 

 

うん、もう二度と買わないけどね。

 

 

 

 

そして本音を明かせば、私はドーナツでもパスタでもなく牛丼が食べたかった。

 

 

 

 

飲み会の後ラーメンを食べたくなる人がいるように、私は牛丼で1日を締めたい。

 

 

 

(いや、私の夜食はいつも日付が変わった後に始まるから正確に言えば、「牛丼で1日を始めたい」)

 

 

 

 

早くロンドンに吉野家松屋すき家が上陸してくれないかな〜

 

 

(ちなみに、日本では成田空港内にある吉野家が一番好き。日本を発つ時は、いつも空港限定の和牛丼を食べて気合い入れてる 😁)

 

 

 

 

悲しいかな、牛丼専門店が何処にもないロンドン。

 

 

でも、カラオケはあるんだな。

 

 

やったね!

 

 

と、ガッツポーズしたいところだけど、

 

 

 

ちょっと待って。

 

 

 

1時間で約100ポンド?

 

 

 

高い、高すぎ、高杉信玄。

 

 

 

 

といわけで、歌うことが大好きなのに今まで一度もロンドンのカラオケ店に足を運んだことがなかった私。

 

 

(歌うことが好きとは言ったけど、別に上手いわけではない)

 

 

 

 

でも昨夜は、クラスメイトが誕生日パーティー用にカラオケバーを貸し切ってくれたんです! ヒャッホーウ !

 

 

 

(ロンドンではカラオケは大抵バーの一角にある。そしてなぜか、誕生日を祝ってもらうはずの張本人がパーティー会場の手配をすることが多い。日本では周りがサプライズで色々と用意してくれるのにね)

 

 

 

 

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ここのバー、九時前にカクテルを注文すると同じものが一つ無料でついてくるの。しかも、値段もちょこっと他より安い。

 

 

 

なんて素晴らしいの。

 

 

 

もはやここまで良心的なサービスをされると、トラップにすら思えてくるよ。

 

 

 

でも、

 

 

 

 

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とりあえず飲みますわ。

(右から二番目が私。本日のファッションテーマは「アイロンがけが済んだ服を着合わせてみた」)

 

 

 

 

 

パーティーには、クラスメイトのバイト先の友達も招待されていました。

 

 

 

お初お目にかかります

 

 

 

 

と、ここが日本だったらお辞儀していたでしょうね。

 

 

 

でも、英語なので Hi, nice to meet you ! とハグさえすれば挨拶が完了するんです。

 

 

 

ハグ文化、便利やわ〜。日本だったら私、友達や家族にすら絶対できないわ〜。

 

 

 

 

でも挨拶した後は何を話したらいいのか分からなかったので、ひたすら飲んで歌っていました。

 

 

 

 

飲み会とかで「飲むの早っ」とか「めっちゃ食べるね」って驚かれるけど、それはみんなが喋ってる時の私が手持ち無沙汰状態で飲むか食べるかの二つしか選択できないからだよ。

 

 

友達と少人数で飲む時は、友達が途中から洗濯バサミで私の口を塞ぎたくなるほどよく喋るんだけど、大人数で飲むときは何を話していいのやらさっぱり分からない。

 

 

 

でも、黙々と飲みながら周りの会話を聞いてこっそりニヤニヤするのは好き。

 

 

 

例えば、

 

 

 

「え、お前、なんでレシートにサインする時、クレジットの署名まで見せるんだよ。ここ、イギリスだから、漢字なんて誰も読めないじゃん」

 

 

 

「いや、なんか癖で。本当は、カードの持ち主だってことちゃんと証明しないといけないんだよ」

 

 

 

「お前、偉いな〜」

 

 

 

 

ほんと、偉いな〜。

 

 

 

あ、これは私の心の声。

 

 

 

 

私、自分のクレジットカードの裏面に署名することすら忘れていました。

 

 

 

ちゃんと見習わないと!

 

 

 

と、思いつつ何だかこの大学生達の会話が微笑ましくて声を殺して笑い続ける私。

 

 

 

 

心からおかしいと思った時ほど笑ってしまう理由を上手く説明できないのが、この世の難点の一つ。

 

 

 

どうせ後で友達に「あのね、この前聞いたこの会話が面白かったの!」と話してみても、相手に「え、それのどこが面白いの」という顔をされてしまうんですね。

 

 

 

で、今度は友達が「面白かった」という話に私は心から共感できない。

 

 

 

みんな、常にすれ違っています。

 

 

 

でも、そのすれ違いの中で「共感」を見つけられた時は本当に嬉しい。

 

 

 

 

嬉しすぎてカクテル2杯、更に追加。ははは🍹🍸

 

 

 

 

結局、友達と自分、どちらを祝っているのかよく分からない誕生日パーティーになってしまいましたが、ロンドンで念願のカラオケバー体験ができて満足満足。これで就寝前にお風呂でまったりできれば完璧なんだけど、学生寮のバスルームに「バス」なんてないのが現実で。

 

 

 

さっさとシャワーを浴びて、寝ます。

 

 

 

日付変わっちゃったけど、改めて

 

 

Jess、誕生日おめでとう。

 

 

(この記事を投稿する前に寝てしまいました。投稿時間が深夜ではなく夕方になっていますが、気にしないでください)

 

 

 

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紫色の侵入者。

 

 

 

 

ようやく学期末の試験と課題が完了しました。

 

 

 

自分、よくやった。 

 

 

 

は? 試験前に、この課題の量はおかしいだろ。聞いてない聞いてない。

 

長時間のデスクワークで背骨曲がってきたし、目の霞が悪化したし、そもそも散歩にも行けないからブクブク太ってきたし、、、

 

 

 

とか何とか思いつく限りの文句を散々ぼやいていたものの、

 

 

 

 

無理、できない

 

 

 

の二言だけは絶対に口にしないよう、心がけていました。

 

 

 

本当は、一言も文句を言わずに作業をこなしたかったんだけど、皆さんご承知の通り、私はそこまで出来た人間ではないんです。

 

 

 

試験終わったらダイエット! なんて意気込んだ目標を手帳に記しておきながら、相変わらずデスクワーク生活のままハイカロリー食にひょいひょい手を出してしまう。そんな人間なんです。

 

 

 

(タダで食べれる場所に行くと、ここで食いだめしとかなきゃ! とか何とか言い訳して、胃袋に入れるだけ食べ物を詰め込んでしまう。ついでに予定がない日は、寝溜め。頭が痛くなるほど、眠り続ける。冬眠前のクマかよ 🐻)

 

 

 

 

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だって、お腹がすぐに空くんだもん。

 

 

 

 

そういや、日本に一時帰国した際に焼肉を食いだめしている私を見て、父が「お前、牧場主んとこに嫁ぎな」って言ってきたことがある。

 

 

 

でも、その後すぐに「あ、そりゃダメだ。女房に、商品食い荒らされたら、牧場が赤字で潰れちゃうもんな」って言い足された。珍しく何か言ってきたかと思えば、すぐに私の悪口。父さん、愛情表現が歪んでますよ。

 

 

 

 

そんな話はさておき、私が金縛りデビュー⭐︎ をした話でも始めましょうかね。

 

 

 

 

それは、古典英文学の試験前日に起こりました。

 

 

 

もう薄々お気づきだとは思いますが、私は試験が大の苦手です。

 

 

 

なぜかって?

 

 

 

 

試験で散々嫌な思いをしてきたからですよ。

 

 

 

 

幼い頃はスパルタで有名な塾に通っていたので、常にテストのオンパレード。自分の年齢よりも受験番号が、真っ先に頭に浮かぶ。それくらい、放課後と週末はテストばかり受けていたんですね......。

 

 

 

で、そのスパルタな塾に私を通わせる当時の母も、これまたかなりのスパルタで、

 

 

 

 

暇があってもなくても、とにかく私の試験の結果のことばかり考えている。

 

 

 

 

数字バカな私はいつも算数の成績が悪くて、塾では恥をかき(ご丁寧にも、毎週全員分の試験結果を廊下の壁に張り出し、成績が変わる度に新しい席順表を用意してくださるんですよ、この塾の先生方は。まっこと、ご苦労様です)、家では鬼女と化した母と文字通りの鬼ごっこをする日々。

 

 

(鬼「あんた、本ばっか読んでるから、いつまで経っても算数ができないのよ!持ってる本、全部出しなさい!」私「この本はダメ! 学校の先生が特別に貸してくれたんだもん! 今週中に読み終えて返さないと」鬼「あ? 誰だ、受験生に本なんか貸す教師は?」私(いやいやいや、生徒に本を貸すくらい、普通だろ。ダメだ、この人、怒りですっかり理性を失っている......))

 

 

 

 

とにかく、テストが怖くて怖くて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

自分がここまでテスト勉強ができないことに愕然としたし(スパルタ塾に通うまでは、よく大人から「ユカちゃん、難しい言葉をよく知っているね」と褒められていたから、正直自分は勉強ができる方だと思っていた)、母から周りの「試験がよくできる子」と比べられるているうちに、いつの間にか自信をすっかり無くしてしまった。

 

 

(でも、おばあちゃんだけはいつも私のことを誇ってくれた。本当に、どうしてそこまで私のことを信じてくれるんだろうか。私はおばあちゃんが思っているほど、心優しくも、才能に満ち溢れているわけでもないのにね)

 

 

 

 

 

流石に二十歳を越えた現在は、母が私の成績に口出ししてくることはなくなりました。

 

 

 

そもそも、専攻が文学だしね。試験前に本を読んだって、罪にはならないんだわ。ははは。

 

 

 

だけど、未だに「試験」というワードに怯えてしまう私。

 

 

 

 

去年のファンデーションコースでも試験前に一睡もできなかったと以前お話しましたが、私は本当に試験に弱いんです。(試験本番に弱いというわけではなく、試験という存在自体が私の弱点)

 

 

 

 

何したらいいんだろ。この問題でなかったら、どうしよ。私の勉強法、本当に合ってるのかな。

 

 

そんなことを悶々と考えている私は、まさしくパニック状態。

 

 

夢にまで試験が出てくる出てくる。

 

 

(でもこの場合の試験は、すべて数学)

 

 

 

 

で、そんな状態の中寝ていたら、

 

 

 

ついに金縛りまで呼び寄せてしまった。

 

 

 

私が住んでいる寮では、たまにメンテナンスの人がやって来て各部屋の扉をノックして廻るということがあるのですが、金縛りが起きた夢の中で「ドンドンドン」とノック音を聞いた私は、最初「あ、またメンテナンスの人が来て、別の部屋のドアを叩いてるのか。まだ寝たいから、ドア、開けたくないなあ。私の部屋にだけ、来なければいいのに」なんて呑気なことを考えていたんですね。

 

 

 

ところが、私の部屋にだんだん近づいてきたこの「ドンドンドン」、私の部屋の一歩手前まで来るか、というところで、突然ピタッと止まってしまったんです。

 

 

どうやら、メンテナンスの人、私の部屋が見えなかったみたい。

 

 

良かった、これでベッドから出てドアを開けに行かなくても済むわ。

 

 

 

と、私は胸を撫で下ろしました。

 

 

 

というのも、私の部屋は廊下の一番奥にあって、しかも(ちょっと説明が難しいのですが)扉の両サイドに突き出た壁があるため廊下の手前からは死角になるんですね。だから、廊下の端まで確認しないようなおっちょこちょいさんがメンテナンスに来て、私の部屋だけ忘れて帰ってしまう、というようなことは充分にあり得る話。

 

 

 

そんなわけで、さ、もう少し寝よう。と、薄く開けていた目を再び閉じようとしたその時、

 

 

 

私の部屋の扉が音もなく開いたんです。

 

 

 

 

扉が開いた瞬間を見たわけではないけれど、誰かが部屋に入って来る気配をはっきりと感じました。

 

 

 

 

あれ? 私、鍵かけずに寝ちゃったのかな? いや、待てよ。ノックもせずに、部屋に入って来るのっておかしくないか。

 

 

 

と思い至った瞬間、急に寒気。

 

 

 

え? 誰が部屋に入って来たの?

 

 

 

 

確認しようと目を凝らす前に、誰かが寝ている私の横に腰掛けたのを感じる。

 

 

 

 

ちょっと待って、誰? 誰?

 

 

 

 

 

目玉だけをぐりっと動かして、確認してみると、

 

 

 

 

 

 

見えたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身紫色の人。

 

 

 

 

 

 

目なし。鼻なし。口なし。

 

 

 

 

ただただ全てが紫色。

 

 

 

 

 

 

イメージ ↓

 

 

 

 

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いや、イメージじゃない。まさしく、「この紫」が私のベッドに腰掛けてたんだ。

 

 

 

 

私、パニック。

 

 

 

え、何これ。夢?

 

 

 

 

にしては、現実的。

 

 

 

 

あ、もしかして。

 

 

 

これが、金縛り?

 

 

 

と、私が思いついた瞬間、ミスター紫がこちらを向いた。

 

 

 

 

向いたと言っても、目がないわけだから、本来なら彼がどこを見ているんだか分からないはずなんだけど、何故だか強い視線を感じる。

 

 

 

 

 

え、金縛りって紫なの?

 

 

 

 

とか何とか訳の分からないことを考えている私に、馬乗りになるような形でどんどん顔を近づけて来るミスター紫。追い払いたいけれど、私の体は完全硬直。

 

 

 

そして、彼はくぐもった声で何やら呪文のようなものを唱え始める。

 

 

 

 

タカノゾミ、タカノゾミ......

 

 

 

え? たか、のぞみ?

 

 

 

 

って、高望み?

 

 

 

 

呪文の意味を理解した途端、恐怖が一気に吹っ飛んだ。

 

 

 

 

誰が、高望みしてるって? うるさい! 黙れ!

 

 

 

 

アーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 

 

 

気づけば、私は思い切り叫んでいた。

 

 

 

高望みだって、知ってるよ。

 

 

それでも、やるんだ。文句あるか? あ?

 

 

 

 

怒り狂う私。ミスター紫に、私の何が分かるってんだ。

 

 

 

いつの間にか私の体の硬直は解けていて、そうか、そうと分かればいっちょミスター紫に説教でも、、、

 

 

 

と思って体を起こしてみると、ベッドの上には誰もいない。

 

 

 

 

 

これが、金縛りか。

 

 

 

と、途端に冷静になる私。

 

 

 

 

 

金縛りの話は、他人からよく聞いていました。

 

 

 

 

何かに悩んでいたり、ストレスを溜め込んでいたりすると起きる現象らしいですね。

 

 

 

 

脳は起きているのに、体がそれに反応できないんだとか何とか聞きましたが、

 

 

 

 

要するに試験に対する恐怖が私の中でまだ収まっていなかった、ということになるのでしょう。

 

 

 

でも、あのミスター紫に対して思い切り叫んだ瞬間から、私の気持ちが少し楽になったような気がします。

 

 

 

 

突然、高望み、なんて言われたから

 

 

 

純粋に「この野郎! バカにしやがって!」ってムカついてしまったよ。

 

 

 

 

ミスター紫。

 

 

 

私は自分にも他人にも甘いから、君の侵入は試験に怯える私に活を入れるためだったとポジティブに解釈するよ。

 

 

 

 

でも、この一件から寝る前の戸締りには一層気を配るようになりました。

 

 

 

 

金縛りか、本当の不法侵入かすぐに判断できるように、ね。

 

 

 

うん、これでひと安心。

 

 

いや、

 

 

 

どっちも怖いわ。

 

 

  

 

発音で泣いた話。

 

 

こんにちは。

 

 

 

突然、去年の記憶 ー ラーメンを食べながら泣いていた時の情景が頭に浮かんできたので、その頃の話を今回のブログのテーマにしたいと思います。

 

 

 

去年のファンデーションコース時代は有難いことに、わたくしトラブル三昧なライフスタイルを送らせていただいたので(皮肉)、記憶を掘り返せばすぐに涙、涙、涙、ついでに鼻水も ー 本当に色んなことで泣きました。

 

 

 

同級生達に「Yuka、尊敬するよ。私がもし同じ状況にいたら、絶対心折れてたわ」って賞賛されてしまうくらい、不運な出来事が立て続けに起きたんです。

 

 

 

課題の締め切り前にパソコンとビザが入った鞄を盗まれたり、二学期始まってすぐに熱を出して2週間も寝込んだり、そしてその2週間で最終課題に必要な授業を全て逃したり、試験前日に突然不安症が悪化して一睡もできないまま最終試験を受ける羽目になったり、、、

 

 

 

こんなのは、ほんの一例に過ぎない。まだまだあります。

 

 

 

でも、ここで全て紹介すると私のネタのストックが切れてしまうから、今日はその中の一つである「発音で泣いた話」のみ、お教えします。

 

 

 

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留学1年目 ー 語学学校に通っていた時は、自分の「日本人らしい発音」をそこまでコンプレックスだと思っていなかったんですね、私。

 

 

 

何故なら、その時の私は「英語に対する興味が全くない日本人」から、「英語を帰国子女並に使える日本人」まで成長させることに精一杯で、発音を気にする余裕すらなかった。

 

 

(今でも自分に帰国子女並の英語力があるのか、よく分かっていない。いつかちゃんとお金払ってTOFEL受けるわ。受験料値下げしてくんないかな......)

 

 

 

でも、「日本人はRの発音ができない」みたいな話をよく耳にしていたので、Rの舌の動きだけは一応意識していました。あと、YouTubeで「a, e, i, o, u」の発音の違いみたいなのも勉強しましたが、う〜ん、私の耳が悪いのか、あんまり理解できなかった。

 

 

 

(私、英語の試験でリスニングが一番苦手。人の話を集中して聞けないんです。小さい頃は、そのことについて大人から散々説教されました)

 

 

 

 

正しい発音を習得しないまま留学生活2年目にファンデーションコースを受けることとなった私ですが、初っ端からおったまげた! みんな、発音うまっ!

 

 

 

ファンデーションコースって、イギリスの大学に進学する留学生のための準備コースなんでネイティブスピーカーは一人もいないはず、なんですが......みんな、恐ろしいほど発音がイケてるんですね。特に中国からの生徒さんが!

 

 

 

中国語のアクセントが強いってこと、周知の事実ですよね?

 

 

 

中国人が語尾に「〜アル」をつけるのはアニメや漫画だけの話ですが、彼らのアクセントが外国語を使う際もなかなか抜けないのは本当。

 

 

 

もう20年以上日本で暮らしているうちのおかん(中国人)ー 日本人との会話ペラペラペラ〜ノでたまに新しい言葉発明しちゃいますってレベルの日本語を習得している彼女ですら、今だに職場で「発音がおかしい」って注意されてしまうんです。(おかん、一緒に頑張ろうな)

 

 

 

なのに、ファンデーションコースで出会った中国人留学生の9割が恐ろしく綺麗な発音で英語を話していました。贔屓目に評価してるんじゃないよ、本当に上手なんだから。

 

 

 

 

彼らから話を聞くと、中国都市部の高校には海外の大学に進学するコースがあって、そこで英語だけの授業を留学する前から受講できるんだとか。ついでに、「幼少期から専門の英語教師がいたから、ネイティヴ並みの発音はそこで習得したんだと思う」とのこと。

 

 

日本の高校にも「海外の大学進学コース」をどんどん取り入れてもらいたいですね。そしたら、英語や海外にもともと興味がある人だけじゃなくて、日本の教育制度が合わなくて悩んでいる人にも選択肢が増えて良いなって思うんだけど、これ友人に言ったら「じゃあ、あんたが日本の未来を変えるために政治家になって〜。支持するからさ〜」と返された。ははは(苦笑)。

 

 

 

そういや、私の中国にいる従兄弟も英語専門の幼稚園に通ってて3歳の頃から英語版のスヌーピーのビデオばかり観てるって聞いたことがあったわ。

 

 

 

その話に感化された母によって、私も小学生の頃に一年だけ近所の英会話教室に通わされたんですけど......その頃の私は英会話以前に人と会話する気がなかったので、そこで安くなかったであろう授業料に見合うほどの結果を得ることはできませんでした。うん、あの頃の自分を一発殴ってやりたい。

 

 

 

 

 

 

もちろん中国以外の国から来た生徒さんも、非常に綺麗な発音を習得された方々ばかりでした。(けれど、私がいたコースに通う留学生の7割が中国人だったから、「中国の生徒の発音うまっ!」というイメージが植え付けられてしまった)

 

 

 

 

そのような環境にいたら、「他人は他人、私は私」ポリシーを貫いてきた私でも、自分の発音の悪さをコンプレックスに感じて落ち込んでしまうわけでして......。 

 

 

 

 

授業でペアになった中国人のクラスメイトが私の意見を全く聞いてくれなかったことに対して「私の発音が悪いから、相手にしてくれないのかな」と悲観的な考えを抱いたり、またもや他の中国人の友達に「発音、日本人っぽくて可愛いね」と何度も言われて「こっちは、発音に可愛さなんて求めてないんだよ!」と反感を覚えたり。

 

 

 

 

このように、何事も発音のコンプレックスと関連づけてしまう始末。

 

 

多分、「可愛い」は嫌味で言われたんじゃないと思う。今はそう信じている。

 

 

 

 

 

酷い時は、発音のせいで人と喋るのが億劫になったりもしました。

 

 

 

 

そんな私の心境を理解していた韓国の友達は、「そんなに気にすることないよ。私だって完璧じゃないんだから」という優しい言葉と私が大好きな新発売のスパイシーラーメンで励ましてくれました。

 

 

 

 

で、その友達が茹でてくれたラーメンを食べながらボロボロ泣き出す私。

 

 

 

私がついさっき思い出したのは、まさしくこの時の情景。

 

 

泣きながら食べるスパイシーラーメン、美味しかったな

 

 

(それにしても、私、よう泣いてきたな〜。語学学校でも、別の問題で泣いて色んな人に励ましてもらったよ。ありがとう)

 

 

 

 

この「発音コンプレックス問題」はファンデーションコースが終盤に差し掛かった頃、無事に解決致しました。

 

 

 

私が発音を気にしなくなった理由は、自分の努力の成果を認めることができたからです。

 

 

 

3学期になって、私のエッセイの成績が急激に上がったんですね。これが大きな自信になりました。

 

 

 

あと、当時のイギリス人のハウスメイトから「話し方がすごくナチュラルになったね!」って褒められたのも、「あなたの考えが好き」と話の内容をよく評価してもらえたのも「発音」という一点から私の意識が逸れるきっかけになったんだと思います。

 

 

 

 

結局、発音を上達させるには、自分にとってアクセントが難しい単語を繰り返し口にするしかないわけで。

 

 

 

だから、発音を気にして喋るのをためらってしまったら、いつまで経ってもコンプレックスから抜け出せないんですね。

 

 

 

周囲の英語力を気にし過ぎてこんな根本的な点を見落としていたのか、と自分の盲目さに呆れ驚き、今はこうして懐かしみながら笑っているわけなんです。

 

 

 

 

現在の私は、「発音、アクセントの違い」を多種多様な文化を包括してきた英語という言語の特徴の一つとして楽しんでいます。

 

 

 

言語は生き物なので、それを扱う私に自信がないとついてきてくれないんですね。

 

 

 

「この人なら協力してもいいかな」と、Mr. English に信頼してもらえるよう、これからも私は日々精進します。

 

 

 

よろしくね。

 

 

 

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〜オマケのお話〜

 

 

 

 

ちなみに、アメリカ英語しか知らなかった私はイギリス英語のアクセントの静かさに最初びっくりしました。

 

 

イギリスでは淑やかな喋り方を美徳としているみたいなんですが、その点も含めてイギリスの国民性って日本人にかなり似ていると思いますよ。

 

 

 

 

他の例を挙げれば、大学の講義なんかで私とイギリスの友人が「お先にどうぞ」って席を譲り合っている中、「あ、じゃあ、お先に失礼するわ」ってもう一人のイランの友人が堂々と私たちがなかなか座ろうとしない席に真っ先に腰掛ける、ということが日常茶飯事で起きています。

 

 

 

その度に、私は「Yuka、あんたのそういうとこ、ほんと日本人だわ」と言われるし、私も「Jess (イギリスの友人の名前)、あなたこそ、The・British だよ」と言い換えすし、そんな私たちを「二人とも、謙遜しすぎ!」ってイランの友人が優雅に椅子に腰掛たままケラケラ笑ってるもんだから、おかしいですね。いつかこの三人で、漫才でも始めてみましょうか。

 

 

 

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カフェ友について、将来の夢について。

 

 

 

 

私には校外で知り合ったアメリカ人の友人がいて、彼女とはだいたい週に一度の頻度で顔を合わせるようにしています。

 

 

簡潔に言えば、私たちの関係は「カフェ友」。

 

 

お互いに気になっている市内のカフェを共に攻略するのが、私達の主な目的です。

 

 

 

カフェで温かい飲み物とブランチ代わりのケーキを味わいながらお互いの近況報告をするのが、このカフェ友との恒例行事。

 

 

 

毎週会ってるんだから、近況報告なんてする必要ないじゃん! という最もなご意見にお答えすると、

 

 

「私のカフェ友は変幻自在なの。だから、毎回、彼女が今なに者であるのか確認しなきゃいけない。私に至っては、彼女に一週間で自分が発見したこと全てを曝け出すことで、自分の頭がパンクするのを何とか防いでいるの」

 

 

 

私の頭がパンクしそうな件はさておき (なぜ私は、新たなレシピを1つ考案しただけで一晩中、翌日のお昼にそれを実行することばかり考えてしまうんだろう)、友人が会う度にその身分を変えているのには驚きます。

 

 

 

学生、書店員、庭師、隠居者......

 

 

 

 

 

そしていつも、その身分に似つかわしくない格好で現れる。

 

 

 

 

学生だった時は、バーの職務を終えて朝帰りする女主人

 

書店員だった時は、ウィスキー瓶片手に(中身は純水)休日の市内を放浪する三流役者

 

庭師だった時は、くたびれたコートを着た徹夜続きの編集長

 

 

 

みたいな格好をしてるんです。

 

 

これが面白くて、待ち合わせ場所でその姿を認める度に笑ってしまう。

 

 

ははは、今日は編集長なんだね〜。この前は三流役者だったのに。

 

 

 

唯一変わらないのは、目の下にどっしりと居座っているクマ。

 

 

 

 

小説の中で風変わりなキャラクターが出てくると、「いや、こんな人、見たことないわ。現実にいるわけがない」ってつい苦笑してしまうけど、

 

 

自分の周りを改めて見回すと、実際にいるんですね〜。

 

 

「あ、この人、話のネタにできるわ」って人、ゴロゴロ出てきますよ。おかしいですね〜。なるほど、現実も捨てたもんじゃないですね〜。

 

 

 

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そんな友人が近況報告を一通り済ませた後に、粘土遊びでもしてるみたいに自分の顔の皮膚を上へ下へと器用に引き伸ばしているのを眺めながら、今まで読んできた本の話をするのが私は楽しくて仕方がない。

 

 

 

友人は有名な和書なら翻訳版を通して大方読んできているので、私がもちかける本の話をこちらの予想を遥かに越えてよく理解しています。これこそ、「すごい!」。

 

 

 

ここでどんな会話がなされていたかの説明は省きますが、いつも最終的には日本語と英語各々のもつ魅力に対しては両手を揃えるか膝を曲げて深々とお辞儀をするか賛美の歌を熱唱することくらいしか私たちにはできない、という結論に二人揃って合点するのです。

 

 

 

 

でも、いざ将来の夢の話をする、となると私たちの間を流れる空気は一気に重苦しくなってしまう。

 

 

 

自分とは違う夢をもつ人に将来の目標を語る時と、同じ夢をもつ人とそれを話題に持ち上げた時とでは話が別。

 

 

 

だって、マーケティングとかスポーツとか音楽とか、そういうもので頑張っている人に「私、将来、物書きになりたいの!」と言えば、「へ、そうなんだ! お互い、将来に向けて頑張ろうね!」みたいな相手の前向きな言葉が私の自己満足度を上げてくれるけれど、

 

 

 

いざ同じ夢をもつ人と「大学卒業したらさ......」なんて話を始めてしまったら、お互い、私たちは自分にはとても叶わない話をしているんだ、という気になって、

 

 

「は、私なんて全然ダメだ。才能もない、幸運を確実にする大した努力すら継続できない、でもそれ以外の生き方をする妥協もできないから、自分の夢を正当化させて親の脛を齧っている。はあ、どうすりゃいいんだ......」

 

 

 

と本当は一時だって忘れたことのない本音を漏らしてしまうのです。

 

 

 

浅はかながらも、将来の夢宣言をみんなにビラみたいに配れば、自分が少しは焦って行動するだろうと思っていた。

 

 

 

私も友人も、この先ずっと本に携われたらいい、欲を言えば携われるだけではなく、言葉がもつ力を操れる人になりたい、と思っています。

 

 

 

でも、私たちはそれが本当にただの「気持ちの良い夢」でしかなくなる可能性も知っている。

 

 

 

今はまだ、未熟さを口実にそれを否認することを許される年齢なだけであって。

 

 

 

だから、ここで一言自分に言わせてください。

 

 

 

「あなたはまだ、夢を気安く口にできるほど頑張れていない」

 

 

 

 

どうして、

 

 

 

私は頑張ってる。そんなに娯楽にお金を使っていないし、お酒も週末くらいしか飲まないし、勉強だってそれなりに上手くやってるし、我慢できることはなるべく耐えてきた、

 

 

 

なんて言葉で自分の落ち度をごまかしてきたんだろ。

 

 

 

もし私が自分のことしか見ていなかったら、そんな言葉、出てこないと思うんですよね。

 

 

 

夢が本当に実現するまで、「私は頑張ってる」なんて言って一服している暇なんてないんです。

 

 

 

多分、私がまだ誰かと自分を比べているから、こんな言葉が出てくるんだと思うんです。

 

 

 

 

私の中で「あなた、なんでそんなに頑張ってるの? どうしてそこまで、将来、他人を助けるためだなんて、そんな綺麗事に執着するの? そんなの、結局はただの自己満足じゃん!」と問いかけてくる人に対して、

 

 

私は「うん、そうだよ。人に対して良いことをしたいなんて、まったくの自己満だよ。でも、私はこの種の自己満が私にとって一番効果てきめんなのを知っている。だって、どんなに頑張ったって、他の自己満はどれも、長くても二日しかもたなかったんだから」ってはっきりと答えなきゃいけなかった。

 

 

 

 

どうやら私は、自分を「生かすため」に必要なものを再び選択しなければならないようです。

 

 

 

私は「勿体無いお化け」に取り憑かれているので、本音を言えば今自分が持っているもの全てを手元に置いておきたい。何も手放したくはない。

 

 

 

でも、新しい場所へは身軽にならないと辿り着けない。

 

 

 

 

親の脛齧りな私は、引越し業者を呼んで私の荷物全てを新居まで運んでもらうほどの余裕がないのです。

 

 

 

 

悲しいですね。

 

 

 

 

でも、その悲しい気持ちの共感者と毎週カフェってるから、私はまだ幸せ者なんだとも思います。

 

 

 

 

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