eve-a60’s blog

ロンドンでの3年間の大学生活を記録したもの。

散歩をしながら色々。

 

 

 

日本での、まったりのんびりとした夢のような日々は終わり、二日後から始まるTerm 2 に向けてロンドンに戻って来ています。

 

 

そして今。

 

 

時差ボケのせいで早起きしてしまうのが気に食わない私です。

 

 

 

自分が早起きしてる。なんの抵抗もなく早起きしてる。

 

 

 

腑に落ちない。

 

 

 

 

 

こういう時は、何か書くのが一番だと思っています。

 

 

そんなわけで、ブログ更新させてね。

 

 

(このブログは自分が考えていることを忘れないようにするためと、ちょっとくらい誰かの役に立つんじゃないかという期待が5%。後の95%は全部、私が日本語で文章を書く練習をしたいから。最近、カタカナまで思い出せない時があって、恐怖を感じた)

 

 

今回は、昨日の散歩中に考えたことを書き残してゆきたいと思います。

 

 

内容があまりに実用的ではないから「考える? 人間は考える葦である? あ? 何それ、美味しいの?」 という方には面白くないと思います。先に保険かけておきます。

 

 

面白くないです

 

 

 

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ロンドンの街を地下鉄のルートに沿って散歩をしている時に思うのは、

 

 

一駅越える度に「街の雰囲気がガラッと変わる」ということ。

 

 

荘厳で伝統的な建物にぽ〜っと見惚れていたと思ったら、あっという間に景色が廃れてきて、あっ、もうムスリム移民たちのエリアか! と気づかされるわけです。

 

 

面白いでしょう?

 

 

あ、いけない。このブログ、面白くないていで進めるんだった。

 

 

面白くないでしょう?

 

 

 

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移民エリアに着くまでに、母に送るための「キレイな写真」を撮っておかなきゃと慌ててiPhoneを取り出します。

 

 

 

母はいつも「ロンドンのキレイな写真ちょうだい。じゃないと、今月の仕送り渡さないよ」と私を脅迫してきます。(お友達に「娘の留学先〜」と自慢でもするんでしょうか)。これがあまりにしつこい時、私は「お金がなくてiPhoneの通信料を払えないから、ママの連絡見れなかった」というフリをします。生きるための知恵です。

 

 

他にも、

 

街で執拗にお金を要求して来る人に出会った時の「英語ぜんぜん分かりませ〜ん」というフリ

 

「あなた日本人でしょ日本人でしょ」と言いながらつきまとって来る人用の「残念。私、中国人。ニーハオ」というフリ

 

何かやらかした時の「まだ子供で〜す。中学生くらいで〜す」というフリ

 

セレブが通うようなお店に潜入したかった時の「あ、私パパのゴールドカード持ってますから。何か?」というフリ

 

学校で私のことを中国人だと思って必死にチャイニーズコミュニティに勧誘して来る中国人留学生に対する「私、日本人」というフリ

 

 

あ、最後のはフリじゃないわ。

 

 

 

正体不明って便利ですね。時にアイデンティティを喪失させることも、生きる知恵なのです。

 

 

(調子のいい女だな)

 

 

 

昨日はロンドンの冬にしては珍しく、いいお天気でした。

 

 

いつもは夕方になると突然、辺りが真っ暗になるんですけど、昨日は夕暮れと夜の変わり目に現れるピンクと紫をグラデーションしたような色の空を見ることができました。

 

 

こういう空を目にすると、どうやら人はセンチメンタルになりやすいもので

 

 

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去年読んだこの残酷なのに綺麗でもある話のことを思い出してしまいました。

 

 

数日前に読んだ西加奈子さんのエッセイの中でも取り上げられたこの本。

 

 

 

今さら私が感想を述べる必要がないくらい世界中で評価されているとは思いますが、私がこのモリスンの話に初めて出会った時の感覚をここに記録させて下さい。

 

 

私は初め、この話を英語で知りました。

 

 

というのも、去年通っていたファンデーションコース(留学生がイギリスの大学に正規で通うための準備をするところ)で選考していた文学の授業の中で「アメリカで起こった(正確には今もまだ残っている)人種差別を黒人女性の視点で描いた物語」と紹介されたのです。

 

 

(私はこのファンデーションコースで世界史も専攻していて、本当はこの先ずっと世界史専攻でいこうと思っていたのですが、やっぱり私は文学の勉強の方が純粋に楽しめるし英語で歴史の学説書を読む度に「なんだこの文章は! もっと面白く書けないのか!」とたいへん失礼なことを考えてしまったので、結局途中で文学部志望に切り換えました。でも、歴史を勉強すること自体は今でも好きですし、重要視しています。初めに世界史専攻を志望したのも、何かものを書く時に歴史を知らないのではまずい、と思ったからです)

 

 

この「青い眼がほしい」は幼少期の著者が、同じ黒人の女の子である彼女の友達の放った言葉、「私、白人の女の子みたいな青い眼が欲しい!」に衝撃を受けたという自身の体験を基にして書いた小説です。

 

 

なんで青い眼と白い肌は綺麗で、黒い眼と黒い肌は醜いになるの?

 

 

人種差別を子供なりの視点からアプローチしている時点で私にとってこの話は十分に残酷なのですが、それを描写するモリスンの言葉があまりにも綺麗で、読み終えた私を「自分は世界の一番隠された場所を見てしまった」という罪悪感で苦しめるところも酷です。

 

私、この話をエッセイのテーマにしたんだけど、それを書いている間しばらく、人と話せなかった。

 

 

この本の話をするとキリがないので、まだ読んだことがない読書好きな方は是非手に取ってみてね、というメッセージで締めます。

 

 

 

昨日の散歩は私がiPhoneの充電が20%以下になっていることに気づいた時点で中止になりました。

 

 

友人に「同じ人間とは思えない」と呆れられるほど(これを言った友達、見てますか〜?)方向音痴な私は、googleマップなしでは家の近くも気安くうろつくことができません。

 

 

そんなわけで、あともう二駅で最寄り、というところで大人しく電車に乗りました。

 

 

今度はちゃんと、充電器持ってこ。

 

 

 

以上、私の面白くない話でした。ばいばい 👋