コロナにより大学閉鎖。
皆さん、いかがお過ごしですか。
新型コロナウイルスの大流行によって、毎日不安な思いをされている方が多いのではないでしょうか。
いつもクールに決めていたい万年思春期な私も(しかし一度だって、クールと評された試しがない)今回ばかりは、この異常事態にだいぶ動揺してしまった事実を隠蔽するわけにはいきません。
正直、中国の武漢市内やアジアの一部地域で感染者が確認され始めた2月ごろは、「アジア、大変だなあ」とコロナ関連のニュースを完全な他人事として受け止めていました。
目立ちたがり屋のクラスメイトがマスクをかけて登校してきた時も、「あの子、また目立とうとしてマスクなんかかけてきた。ここはアジアじゃないんだから、予防なんてしなくても大丈夫なのに。大げさだなあ......」と奇妙そうに彼女のマスク姿を眺めるほどの余裕っぷり。
そしたら、
ウイルス、あっという間にユーラシア大陸越えて来たじゃん!
はっや! EMS 国際スピード郵便かよ!
すごいな。グローバル化も、ついにここまできたか。
そして、マスクをかける習慣のないヨーロッパ内では感染率がより深刻なものに......。
「日本、大丈夫ですか」がアジアにいる家族や友人への新しい挨拶言葉となりつつあったのに、いつの間にか「アンタ、ロンドンで大丈夫なの?」と心配される立場に逆転してしまった。
それでも2週間前はまだ、あまり危機感をもっていなかった私。
3月初めのリーディングウィークにロンドンにやって来た日本の友人と、普通にイギリス観光を楽しんでいました。
(ブログのメイントピックから外れるけれど、ちょっとここで、観光の思い出話につきあってくださいな。ほんと、ちょっとで済むから!)
まずはクマのプーさんの聖地、ハートフィールドでアフタヌーンティーをして、
(久々に、英国式アフタヌーンティー。最近、タピオカ好きな大学の友達と遊んでばかりいたから、アールグレイよりタピオカミルクティーばかり飲んでた)
Pooh Sticks と呼ばれる、友人と橋の上から木の枝を川中へと落としてどちらの枝が早く橋の下を通過して出てくるかを競うゲームをしたり (イメージとしてはこんな感じ↓)
ケンブリッジの有名どころをまわりつつ、ついでに私が最近バイト先で知り合ったばかりのケンブリッジ大学に留学中の女の子を訪ねたり
(教会の屋上展望台から見た市内中心にあるマーケットの様子)
(ケンブリッジ大学内にある大聖堂)
(川辺に残された何者かによるアートワーク。タイトル不明)
(The Punter という名前のパブでとった夕食。イギリス料理はマズいというステレオタイプを脱却したい方は、ぜひケンブリッジ市内を訪れた際にこのパブへと立ち寄ってみてね 😉)
その他にも、ロンドン市内のビートルズゆかりの Abbey Road で、かの有名な交差点の写真を撮影したりしました。
ただ、ロンドン市内の観光では、流石にコロナウイルス流行とそれを理由にしたアジア人差別を意識せざるを得なかった。
幸い、私も友人も差別的な行為を受けることはなかったけれど、この頃から、アジアの留学生が街で理由もなく通りすがりの人から暴言・暴力を受けたという話をよく耳にするようになりました。
ここでひとつ私から強調しておきたいことは、「このような人種差別をするのは正しい知識に欠けたほんの一部の人間だ」ということ。
不安や鬱憤を自力で対処することができず、他者に全責任を押しつけて現実逃避をする。これは、欧米人に限らず心の弱い人間全般に共通していることです。
だから、もし人種を理由に差別的な態度を取るような人間に出くわしたら、動揺せずに彼らの暴言を右から左へスムーズに受け流してください。
すぐに言い返したい気持ちも分かりますが、相手が暴力的な行為を取る可能性を懸念することをお忘れなく。
相手を十分に観察した上で暴力は振るってこない相手だと判断したら、まあ、
「Please don't spend your time for such silly things! ; (そんなくだらないことに時間を使わないでください!)」
くらいは言ってやっても良いのではないでしょうか。
一緒に観光地をまわった友人が日本へ帰国してから2日後に、大学から今学期残り全ての講義と授業がキャンセルになったという知らせがメールで届きました。そして、それから更に1週間経った今日、ジョンソン大統領が英国内全ての飲食店休業を正式に決定。(でも、テイクアウトのお店は営業を続けて良いらしい)
あんなにマスクを嫌がっていた大学の友達も、今ではネットで注文したマスクの到着を今か今かと待ちわびているし、
誰かに連絡すれば必ずや、「今、私たちは歴史の変わり目にいるのよね」とお互いしみじみしてしまうし、
スーパーに行けば、商品棚はガラガラだし、
配達のお兄さんは、目元しか出さない全身黒ずくめの忍者スタイルでやってくるし、
数日前に発熱したカフェ友から「今から2週間、外に出れない。病院にも行けない」というメッセージが届いて、
「そんな! 今すぐ、そっちに漢方薬でも送るから!」
と、迅速に日本の薬をネットでオーダーしてみたものの、相手先から来るのは商品発送の通知メールではなく「全商品在庫切れ」のお知らせだったりするし......
本当に予測できない事態の連続で、現在の私、完全に思考停止。
何をすれば良いのか分からず、とりあえず寝る。お菓子を食べ漁る。そして、アニメと映画をひたすら鑑賞。
この自宅に隔離された状況下で私が思い知ったことは、決まったスケジュールがないと私はどこまでも怠けてしまう、ということ。
先週の時点では、まだ「予定がなくても、ちゃんと自習しよう!自由な時間を有効活用しよう!」と思ってた。
でも、今の私にはそのような高尚な志など微塵も残っていない。
「課題がキャンセルにならないなんて! つらっ! ちゃんとした授業なしに課題の準備なんてできない! もうやだ、寝る!」
と、布団の中に閉じこもってばかりの日々。
部屋の中に何日も缶詰状態となると、私に限らず誰でも仕事に対する健全なモチベーションを喪失してしまうのかもしれない。でも、やっぱりこれ以上、「いつもと環境が違うから」という理由で怠けたくはない。
だから明日から、起床したらまず最初に1日の予定を立てることにする。
よっぽど精神を鍛え上げた人でない限り、明確な目標なしに生産性のある生活を実現させるのは無理ね。
学んだわ。
この他に、私がこの異常なエピデミックを通して気づいたことは、「社会的イメージ」というものがいかにして緊急事態対処の足枷になるのか、ということ。
ここでは「マスクをしている人=病人」というイメージが強いせいで、多くの店で従業員の勤務中のマスク着用が認められていない。
「派手髪、刺青、ピアス、すべて禁止」といった日本のような厳しい身だしなみ制限がないことがイギリス文化の良い点だと思っていたけれど、私が単に見落としていただけで、イメージに対する執拗な拘りはここにも存在していた。
この異常事態においても、「マスク=重病人」から「マスク=感染予防」という思考転換ができないとは.....なるほど、「社会的イメージの確立」って、本当に一種の集団洗脳になるんだな。恐ろしい......。
母の「ルールなんて糞食らえ!」という口癖を聞く度に、「うちの母ちゃん、ヤバイな。常に自分が法律だと思ってるよ。 我が家の独裁者だよ。誰も、この人を止められないよ」と彼女の徹底的な自己中心的思考に怖れを感じていたけれど、もしかしたら、あの人、本当はただの「ヤバイ人」ではないのかも......
と思い至り、長らく未読のままにしていた母からの最新メッセージを確認したら、
「マスクがないなら、ブラジャーで代用しなさい!」
とのこと。
うん。
やっぱり、うちの母、ヤバイわ。