予感。
近頃、地震が頻繁に起きているようですね。
「何事も起きませんように」
こんな無力な言葉しか送れない。
できることなら、アルベール・カミュの小説「ペスト」に登場する爺さんみたいに、いかなる災禍や疫病も坦々とした生涯の一部に過ぎないのだと潔く割り切ってしまいたい。
「–– だが、まあ、そういうもんだね。ほかの連中はみんないいまさ––《さあ、ペストだ。ペストにかかったぞ》なんてね。もう少しで、勲章でもほしがりかねない始末でさ。だが、いったい何かね、ペストなんて? つまりそれが人生ってもんで、それだけのことさ」
人は結局いつだって、得意な顔をしたがる。
少し、疲れたみたい。
一つ眠れば、この胸騒ぎから解放されるかな。